0と1の世界

そこは0と1の世界
人類が本格的に足を踏み入れて50年と経たない世界
ワタシは毎日望遠鏡で散らばる島々をのぞき込む
いつだって誰かが旗を大きく振りかざしている
その旗に賛同し同じ旗を掲げる者
その旗に相対し違う旗を掲げる者
0と1の世界らしく選択は2つしかないかのように
両者が声に出さないが問いかけてくる
オマエハドッチダ?
オマエハドッチダ?
どちらでもないんだ
どちらでもいいんだ
そう答えると奴らはいう
カンガエナシノバカモノメ
イシヲモタヌオロカモノメ
機関銃のように浴びせられる言葉
息が詰まりそうになる
上陸が遅かった自分に
第三の旗を掲げる余地はない
ワタシがたどり着きたい島は
どうやらまだ先のようだ
そこは0と1の世界
毎日誰も死なない戦争が起こっている世界